雀の鳴き声が遠くで聞こえる。
「ん……」
ゆっくりと重い瞼を持ち上げると、朝特有の眩し過ぎる陽光が目に突き刺さる。
たまらず眉をしかめてだるい体を起こす。
が、起きない。
どうにも誰かの腕がそれを邪魔してくるせいで、身動きがとれない。
そこへ、すぅという寝息が聞こえ、どうにか頭だけ上を向く。
すると、見慣れた人物が気持ちよさそうに寝ていた。