『ねぇ?蓮‥』



『明日も同伴してくれる?』



『ああ、もちろん。』



テーブルの上にズラッと並んだ
高級ボトルの数々を目の前にして



ソファにどっぷりと腰を下ろした
常連客の葵(あおい)が



甘えるように俺に腕を絡ませた。



『やったぁ!』



『じゃあまた明日!』



『18時に駅前でね!』



『ああ!』



eternalは今夜も大盛況だ。



ご機嫌の彼女を一人残して
俺はしばしそこを離れた。



すると、ふと通路にいた
飛龍さんと目が合った。



彼はいつものように腕組みをして



暗がりからそっと
俺たちを見守ってくれていた。



『飛龍さん、お疲れ様です!』



『蓮‥さすがだな。』



『今日もお前の指名だけで
半数以上は埋まってる。』



『そうですか。それは嬉しい。』



『どうもありがとうございます!』



『いやいや、俺は何もしていないさ。
まぁ、この調子で最終日まで頼むよ。』



『はい!それじゃあ‥』