沖田さんに連れられ、私は沖田さんの自室に来た。
しかし、問題が一つあった。
「僕はいいので、舞花さんが布団使ってください。」
「私は居座らせていただいている身です。沖田さんが使ってください。この布団は、元々沖田さんが使っていたのでしょう?」
──布団が、一つしかなかったのだ。
「あなたは女性です。布団を使わないと、夜は冷えますから。」
「ですから、私は平気です。元々沖田さんが使っていた布団なのに、私が使うだなんて、できません。」
もう何分、このやりとりを続けているのだろう。
どちらも引く気はない。
このままでは埒があかないと思った私は、あることを思いついた。
「沖田さん。一緒に寝ませんか?」
「…………え?」
私がそう言うと、沖田さんは驚いていた。
さほど美人でもない私に、そこまで驚くことなのだろうか。