ーーー……夢を見ていた。


どこか、丘の上だろうか。


お兄ちゃんが居て。


その隣には見たこともない、綺麗な女の人がいて。


離れたところに私がいる。



そして、もう一人。


私を何かから阻むように前に立つ、印象的な髪色をした男の人。


金髪で少し冷たい印象を受ける瞳を持つその人が…


お兄ちゃんたちが何故か戦っていた。


得体の知れない何かと戦っていた。



……その何かから、私を守るように。


何度も何度も攻撃を仕掛けては、反撃され傷ついていく体。


血の滲んでいく服。


荒れる息。


草の焼ける匂い。



皆が皆、不思議な力を駆使して戦っていて。


その光景を私は見ているだけしか出来なかった。


遠く離れたところから。


守られて。



何も何も出来ない自分がもどかしかった。


人知を超えた争いに目を逸らすことも出来ずただ彼らの戦う姿を目で追うことしか出来なかった。



ーーー……私だって、戦えるのに……