ケータイ小説 野いちご

臆病者の逃走劇.

私の答え



答えようとは決めたけれど、いつどうやって答えよう。

東条くんのクラスは知っているけれど、会いになんていったら、絶対噂がさらに流れる。

それは怖いからいやだ。


となったら、向こうから来るのを期待するしかないのだけれど。


まあ来なかったら来なかったで、噂が消えるまで、なんでもない顔をしてればいいだけだ。



「はーい、今日は連絡事項は特にありません」



終礼の時間、ざわつく教室の中で先生が声を張り上げる。

私も意識半分でその声を聞きながら、鞄に教科書を詰めていく。

今日は何を、勉強しておこうかな。



「だんだん暑くなってきているけれど、夜はまだ寒いからね。風邪だけは引かないようにー。それじゃあ日直、挨拶」

「うーい。きりーつ、れーい」

「はい、さようならー」



立ち上がって挨拶をして、挨拶を返した先生も整えた本を小脇に抱えて教室を出ていく。

用意を既に終えていたらしい美緒ちゃんもすぐに私の席に駆け寄ってきた。



「紗菜は今日、図書当番だっけ?」

「うん」

「私は部活だ。それじゃあまたねー」

「うん、頑張って。ばいばーい」



元気に駆けていく美緒ちゃんを手を振って見送って、私も鞄を肩にかける。

そして、いまだ感じる周囲の視線に少しうんざりしながら、教室を出た。






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