「ふっふふーん♪ ふーん♪」
鼻歌混じりで店の小物を整理する。
ここは、雑貨屋兼私の家。
私がまだ幼い頃に他界してしまったママが、私に残してくれた唯一の形見。
仕入れしたものから、パパが作った手作り雑貨までたくさん可愛いものを
揃えている。
うちのパパはいつも脳天気でボケてるけど、こういう雑貨とか作るのは
得意なんだよね…。
高校に通いながら雑貨屋の手伝いをするのは大変だけど、私はこのお店が
大好きだから………全然苦じゃないよ!
今はお客さんもいなくて、お店の掃除するにはもってこい。
「よしっ、雑貨さんたち! 今から梨央ちゃんがキミ達をキレイにしちゃうぞ☆」
ほうきとふきんを持って、さっそく掃除にとりかかる。
うーん………よし。今のうちに私の自己紹介でもしようかな!
「版田梨央、今をときめく高校2年生16歳です!
好きな食べ物はご飯といかの塩辛、さきいかに枝豆!
もちろん、雑貨も大好きだよ! あぁ、愛しい雑貨ちゃんたち♡」
なんかテンションが上がってきたので、手元にあった小さなうさぎの人形を口元に近づけてキスの体勢をとる。
あぁ……私17歳にしてついにファーストキッスをしてしまうのね………。
動かないハズのうさぎ人形さん(¥320)が微かに怯えてる気がするのは
気のせいかな……? うん、きっと気のせいだ。
「よし、いくぞ……………」
ドキドキドキ…………
「……ん〜………///」
「たっだいまー!!!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!??」
ぶちゅう……!!
オー、マイ、ゴット…………ギャグのつもりだったのに。
本当にうさぎさんとキッスしてしまった……。
これで私もリア充の仲間入りかな?
………………………無理か。無理だよね。うさぎだもんね。
「……り、梨央ちゃん……? どうしたの…?」
大声で叫んだせいで、パパが心配するようにこちらを見てくる。
ていうか……
「パパァッ!! どうしてくれるの!? パパのせいで私、初キッスしちゃったよ!!」
「えぇ!? だ、誰と!?」
「さ、320円のうさぎさん………」
「……梨央ちゃん………………」
パパが複雑な目で見つめてくる。
きっとあの目にはいろんな感情が入ってるんだろうな………。主に哀れみの感情が。
「そうだパパ、何か良い物仕入れた?」
「あぁ、バッチリ! このマグカップなんか可愛くないかい?」
パパが大きな仕入れ袋から赤色の可愛いマグカップを取り出す。
わぁ……可愛い……!! ぜひ私が使いたい! 商品だけど!
「他にもハンカチとかポーチとかペンとか………………」
「うんうん!………………って、ん?」
仕入れ袋の中から何かとてつもない違和感を感じる物を発見する。
…なにこれ……………?
とりあえずその謎のピンクの物体を手に取ってみた。
「…………………ってうわあああああああああああああああああ!?!?
なにこれ!? ナニコレ!? 珍百景!? いや、そうじゃなくて!!
ちょっとパパ!! なにこのピンクの物体!?!?」
き、キモい……… キモイ!!
「あぁ〜 それっ? パパが運転中に作った新商品『明太子ごわすくんストラップ』だよ〜。
ほら、今 流行りのキモかわってやつ〜?」
ヘラヘラ〜っとした調子で答えるパパ。
い、いやいやいやいや!!
ちょっと待って!!
「こ、これパパが作ったの!? てか運転中って大丈夫かそれ!!
しかも、この明太子可愛さのカケラもないよ!?
なにこのリアルなねっとり感とドス黒い目!! 明太子はもっと美味しそうだよ!!
それにこれ材料とかどうやって−!」
「…あれ………?」
私が話してる途中でパパが奇妙な声をあげる。
「梨央ちゃん…その明太子ごわすくんストラップどこから取った?」
「 ? え………? こ、このいつもの仕入れ袋の中からだけど………」
「あぁ、じゃあ明太子ごわすくん紛れちゃってたんだね〜。」
What………? 紛れこむ………? 何に? 人混みに?
人混みに紛れる明太子ごわすくん………。
「………し、シュールだ………。
いや、てか絶対目立つよ。だってピンクだもん。ありえないほどピンクだもんこいつ………人混みに紛れるなんて絶対無理!!」
「り、梨央ちゃん………どうかした………?」
ハッ!
パパの不安げな声で我に帰る。
また1人で危ない想像をふくらませてしまう癖が出てしまった………。
しかも無意識に想像しているからどうしようもない。
「………まぁ、とにかく!
紛れっちゃってたってどういうことなのパパ?」
「あっはは〜 それはね〜 これだよ梨央ちゃん!」
パパがもう1つ大きな袋を取り出す。
その中身は、ただの、絶望でした………………………。
鼻歌混じりで店の小物を整理する。
ここは、雑貨屋兼私の家。
私がまだ幼い頃に他界してしまったママが、私に残してくれた唯一の形見。
仕入れしたものから、パパが作った手作り雑貨までたくさん可愛いものを
揃えている。
うちのパパはいつも脳天気でボケてるけど、こういう雑貨とか作るのは
得意なんだよね…。
高校に通いながら雑貨屋の手伝いをするのは大変だけど、私はこのお店が
大好きだから………全然苦じゃないよ!
今はお客さんもいなくて、お店の掃除するにはもってこい。
「よしっ、雑貨さんたち! 今から梨央ちゃんがキミ達をキレイにしちゃうぞ☆」
ほうきとふきんを持って、さっそく掃除にとりかかる。
うーん………よし。今のうちに私の自己紹介でもしようかな!
「版田梨央、今をときめく高校2年生16歳です!
好きな食べ物はご飯といかの塩辛、さきいかに枝豆!
もちろん、雑貨も大好きだよ! あぁ、愛しい雑貨ちゃんたち♡」
なんかテンションが上がってきたので、手元にあった小さなうさぎの人形を口元に近づけてキスの体勢をとる。
あぁ……私17歳にしてついにファーストキッスをしてしまうのね………。
動かないハズのうさぎ人形さん(¥320)が微かに怯えてる気がするのは
気のせいかな……? うん、きっと気のせいだ。
「よし、いくぞ……………」
ドキドキドキ…………
「……ん〜………///」
「たっだいまー!!!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!??」
ぶちゅう……!!
オー、マイ、ゴット…………ギャグのつもりだったのに。
本当にうさぎさんとキッスしてしまった……。
これで私もリア充の仲間入りかな?
………………………無理か。無理だよね。うさぎだもんね。
「……り、梨央ちゃん……? どうしたの…?」
大声で叫んだせいで、パパが心配するようにこちらを見てくる。
ていうか……
「パパァッ!! どうしてくれるの!? パパのせいで私、初キッスしちゃったよ!!」
「えぇ!? だ、誰と!?」
「さ、320円のうさぎさん………」
「……梨央ちゃん………………」
パパが複雑な目で見つめてくる。
きっとあの目にはいろんな感情が入ってるんだろうな………。主に哀れみの感情が。
「そうだパパ、何か良い物仕入れた?」
「あぁ、バッチリ! このマグカップなんか可愛くないかい?」
パパが大きな仕入れ袋から赤色の可愛いマグカップを取り出す。
わぁ……可愛い……!! ぜひ私が使いたい! 商品だけど!
「他にもハンカチとかポーチとかペンとか………………」
「うんうん!………………って、ん?」
仕入れ袋の中から何かとてつもない違和感を感じる物を発見する。
…なにこれ……………?
とりあえずその謎のピンクの物体を手に取ってみた。
「…………………ってうわあああああああああああああああああ!?!?
なにこれ!? ナニコレ!? 珍百景!? いや、そうじゃなくて!!
ちょっとパパ!! なにこのピンクの物体!?!?」
き、キモい……… キモイ!!
「あぁ〜 それっ? パパが運転中に作った新商品『明太子ごわすくんストラップ』だよ〜。
ほら、今 流行りのキモかわってやつ〜?」
ヘラヘラ〜っとした調子で答えるパパ。
い、いやいやいやいや!!
ちょっと待って!!
「こ、これパパが作ったの!? てか運転中って大丈夫かそれ!!
しかも、この明太子可愛さのカケラもないよ!?
なにこのリアルなねっとり感とドス黒い目!! 明太子はもっと美味しそうだよ!!
それにこれ材料とかどうやって−!」
「…あれ………?」
私が話してる途中でパパが奇妙な声をあげる。
「梨央ちゃん…その明太子ごわすくんストラップどこから取った?」
「 ? え………? こ、このいつもの仕入れ袋の中からだけど………」
「あぁ、じゃあ明太子ごわすくん紛れちゃってたんだね〜。」
What………? 紛れこむ………? 何に? 人混みに?
人混みに紛れる明太子ごわすくん………。
「………し、シュールだ………。
いや、てか絶対目立つよ。だってピンクだもん。ありえないほどピンクだもんこいつ………人混みに紛れるなんて絶対無理!!」
「り、梨央ちゃん………どうかした………?」
ハッ!
パパの不安げな声で我に帰る。
また1人で危ない想像をふくらませてしまう癖が出てしまった………。
しかも無意識に想像しているからどうしようもない。
「………まぁ、とにかく!
紛れっちゃってたってどういうことなのパパ?」
「あっはは〜 それはね〜 これだよ梨央ちゃん!」
パパがもう1つ大きな袋を取り出す。
その中身は、ただの、絶望でした………………………。