ケータイ小説 野いちご

敗者復活戦~純情~

前半戦
前田 翔


俺の名前は「前田 翔」だ。なんていうか、いわゆる運動馬鹿みたいな感じで、お前は身体能力だけが取り柄だなーとか、良く言われるんだ。
殺し合いがスタートしてかれこれもう5分はたつが、何も起きてはいないようだな。まぁ実際敵とあっても、お互い勝たなくてはならないといけない事は承知の上での真剣勝負だ。文句も恨みもありやしねえ。

そう思っていた時に、沖田のグループがこっちに寄ってきた。

「よお」
沖田がぼそっと呟く。

沖田とは同じ野球部だ。まあまあ仲も良かった。殺し合いたい訳などありもしないが、殺しあわないといけないんだ。これからどちらかが死ぬんだ。

「やるか」
沖田がまた呟く。

沖田と目が合う。沖田の隣の奴がピクッと体制をこちらに向ける前触れを見せた。瞬発能力の高い俺はすぐに二人で来ると解り、跳んで一歩、いや二歩後退した。

カキーンッ…

沖田の剣を抑え、もう一人の野郎の攻撃をかわす。

「やっぱ…さすが…」
声は少し大きくなったが、沖田は落ち着いていた。

二体一でも倒してやるんだ。俺は思った。
俺のグループは男子三人女子二人だ。相手の男子が女子を狙うのを、味方男子がカバーしてくれる。

沖田の隣でちょこまか走り回るこの野郎をなんとか片付けたい。
しかし、さすがの沖田。俺の作戦がバレてるのか、隣の野郎に向かって斬った攻撃も全て止めてくる。沖田は完全に守備に回っている。隣の野郎の攻撃を避けきれなかったら、 …。 絶対に避け続ける。

隣の野郎はかなりバテてるが、沖田は体力もあるので、まだ平気な顔だ。
ここで俺は重大なミスをする。完全に守り体制だと思っていた沖田がいきなり攻撃してきたのだ。あぁ、終わったな。来ると思わなかった攻撃を止めれるわけが無い。二体一でも卑怯でもなんでもない。死んだら文句も何も言えない。

カキーンッ…!

< 4/ 17 >