二日目の朝。
朝ご飯のことを、なにも打ち合わせもせずに帰宅してしまったことに気付いたわたし。
慌てて適当に買い物をしてマンションに向かうも、肝心なことに気付く。


――あれ……何時くらいから来ればよかったんだろう。

『また明日』と言ってきたのはいいけれど、何時くらいって約束までしなかった。
ただ、今朝起きて、朝ご飯のことを思い出したらその足で来てしまって。
それで今に至るわけで……。


「どうしよ……」


唯一連絡のつく相手はカズくんだ。
朝8時って……寝てるのかな、起きてるのかな? ああいう職の人たちって何時に寝て何時に起きてるの?

すると、タイムリーにカズくんからメールが来た。


【コーヒー切れたのでお願いしたいです。あと水も】


マンション前でそのメールを確認すると、幸い買い物したものの中にあるものだったので、そのままマンションへと入った。

カズくんが起きてることを知り、心おきなく電話をする。
すると、ワンコールで応答してくれてほっとした。


『あ、ごめんね。寝てた?』
「いえ……あの、何号室でしたっけ……? 昨日わたし緊張してて覚えてなくって」
『え? ああ、707だけど』
「じゃあ、今、鳴らしても……いいですか」
『え?!』


カズくんは当然驚いていたけど、とりあえずオートロックを解錠してくれた。
そして、エレベーターまでの道のりで事情を簡単に説明すると、笑って「恵の話どおりの人だね、ミキちゃんは」と言った。


メグは一体どんなふうにわたしを他の人に話してるんだろう。