2日目の夜。

「ねぇねぇ、美紗は好きな人いるのぉ?」

「え?別に…」

美紗は言葉に詰まる。

「詰まんないなぁ…」

それ以上の会話が無く部屋が静まる。
今日のハードスケジュールに初日の睡眠不足が追い討ちをかけて、とどめの静けさが睡魔を元気にさせた。


まぶたが重くなって、意識がフェードアウトする瞬間。

「谷井くん……どうして?」

確かに聞こえた。祐也を呼ぶ美紗の声。

だが寝る瞬間のできことは真美の頭には残らなかった。