「青山先輩! すみませんでした!」


 事務所に戻るなり美香が平謝りで頭を下げてきた。その横で柴野が複雑な表情を浮かべている。


「高梨さん、頭をあげて? 一体どうしたの? 私、なにがなんだか……」


 美香は頭をあげると、唇を噛み締めながら目尻からボロボロと涙をこぼしていた。


「青山先輩に任されてた片山さんの結婚式の件で、私……とんでもないミスしちゃって……」


 美香が溢れる涙を指で拭うと落ち着きを取り戻して口を開いた。