それから1週間ほど穏やかに、しかし部屋の中から出ずにゆのは過ごしていた。

部屋から出なくても、ミーシャやオズヴェルドが話し相手になってくれる。

レヴァノンが教えてくれる勉強も怠ってはいない。

充実していたが、そろそろ飽きてきた頃だ。

オズヴェルドはあと1週間ほど病気の振りをして欲しいというから、まだまだ先は長い。




「クレア王妃の面会はこれで避けられたな・・・」

「しかし、またなにかしらの方法で接触を試みてくると思われます」

「いつかは会う日は避けられないだろうが、あのクレア王妃と2人きりでは合わせたくないからな」


くしゃくしゃ、とゆのの頭を撫でながら話すオズヴェルド。

この1週間、2人は今までの時間を埋めるように話をした。
ゆのが敬語を使わなくなるほど2人は打ち解けている。

それと比例して、オズヴェルドがゆのに触れるようになったのは気のせいではあるまい。


「もう、オズ!せっかくミーシャが綺麗にしてくれたのに・・・」

「ユノの髪はサラサラだから、つい」


笑いながら言ってるんだから、反省はしていないだろう。

それでも。

オズヴェルドが笑ってくれているのが嬉しいゆのは、それ以上は何も言わなかった。