そんな感じで高二になった俺は、いつものように電車に乗って、通学していた。そのときだった。


「…お?」


あれは、同じクラスの、香織ちゃんではありませんか。


俺は、一人でボーッと電車に乗ってるのも暇だったから、香織ちゃんに声を掛けた。


「おはよう」


「あ、聡君。おはよう」


「電車で通学してるんだ?」


「うん、聡君も?」


それからと言うもの、通学のとき香織ちゃんに会うと何気ない会話をした。結構、面白かった。


自分の気持ちに気づいたのは、高三になった時だった。




俺、香織ちゃんを好きになったみたいだ…




クラスが変わって、あまり話す機会がなくなってしまった。


切ない…


そう思った俺は、思い切って告白する事にした。


もう、今までの失敗はしないぞ。


友人の情報によると、今は彼氏は居ないようだ。


チャンス。


……ところが、通学の電車でなかなか一緒にならない。


学校での告白は、恥ずかしい……


そう思った俺は、香織ちゃんと同じ電車に乗るため、待ち伏せした。


…まだか。


……まだか。


ちょっと、香織ちゃん。


その日は諦めて、学校に行った。


遅刻したよ。


明日、頑張るか…