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その後の数日間、私はなんとか一人で起きることが出来ていた。

ちょっと寝坊して、朝ご飯抜きの時もあったけどね……。


毎朝、マーくんは玄関のところで待ってくれていて、準備を終えて外に出た私を見て微笑む。

それが、ここ最近の朝だった。


……普段は私よりもかなり早く学校に行き、始業時間まで図書室で本を読んでいるマーくん。

だから、『待っててもらって悪いな……』と、ずっと前から思っていた。



「ねぇマーくん。 私、もう一人でも大丈夫だよ?」

「そうだね。 だいぶ余裕が出てきた感じがする」

「うん。 だから明日は先に行ってて大丈夫っ」


「ん、わかった」



マーくんはニコッと笑い、そのあとに私の頭を撫でた。



「明日遅刻しても、俺のせいにはしないでね?」

「もー、大丈夫だって!! 私、本当に一人で起きれるようになったんだよ?」

「本来なら、もっと小さい頃から一人で起きるべきだけどね」


「うぅ……それは言わないで……」



……だって、寝るのが好きなんだもん。

ふかふかベッドでゴロゴロするのが、私の至福の時なんだもん。


『地球最後の日に何をするか』と聞かれたら、当然ベッドの上で寝る。

死ぬ時は、ふかふかベッドの上で安らかに眠りたい。


それが私の希望だった。