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その後、私たちは とにかく暇だった。

あちこち見て回ればいいのに。とは思ったものの、いっぱい泣いてしまったせいで また目元が大変なことになっていた。

崩れてしまったメイクはトイレで直したものの、腫れぼったい目元は隠すことが出来ず……。


そんな状態であちこち回るよりは、どこかでひっそりとしていた方がいい。と、私も旬ちゃんも思った。


じゃあどこに行こうか?

昨日マサくんと一緒だった時みたいに空き教室に行く?

それとも他の場所?

どこがいいだろう?


と、色々考えてるうちに、旬ちゃんがニヤリと笑った。



「晃太たち、もう舞台袖に控えてると思うからこっそり覗きに行く?」

「え、それって……女装コンテストの準備を覗きに行くってこと……!?」

「うん。 舞台袖は薄暗いと思うし、ミサの目もあんま気にならないだろ」


「いや、でも……マーくんは絶対 怒るって……」

「その時は逃げる。 向こうはドレス着てんだから追いかけてはこないだろ? な?」



……ということで。


『どこかでひっそりと』のはずが、『女装コンテストの奴らを覗きに行く』に変わってしまった……。