かっこいい男の人に連れて来てもらったトイレは

さっき克哉兄さんのインタビューを受けた部屋の隣だった。




根本的に私、克哉兄さんの話聞いてないなι




「あ、ありがとうございましたっ!」


「いーえ。」



ポン、と頭を軽く叩いてから、その人はさっき来た道を戻って歩き出した。




めちゃくちゃかっこいい…///




その人に触れられた所を押さえながら、余韻に浸っていると…







ガチャッ



「おい若菜!」




克哉兄さんがドアから顔を出してきた。



その手には…
エンドレスラブの本。





克哉兄さんの声を聞いて、
さっきの男の人が振り返る。




克哉兄さんはその人に気付いてないみたいで、どんどん私に近付く。




なんか…嫌な予感。






「ちょ、克哉にぃ…」
「おい、お前が書いた本忘れるなよ。」



そう言って克哉兄さんは持っていたエンドレスラブの本を、

さっき男の人が触れた頭の部分に
コツンと叩いた。





自分で自分が青ざめていくのがわかる。




もうこれ以上言わないで克哉兄さん……!!!