ようやく諦めた愁斗と共に皆が屋上へ向かったのを確認すると今まさにこの教室から出ていった翔ちゃんを追いかける。


何処に行ったのかは知らないけど、こっち側に歩いてったってことは……理事長かな?


ちゃんとしたい場所なんて分からないまま走り続ける。


根拠なんて無いけど今聞かなきゃいけない気がした。


翔ちゃんはいつだって自分よりも相手を優先する鉄ちゃんなんかよりもずっと頼りになるお母さんみたいな人。


自分の弱いところなんて見せなくて完璧でいようとするのが怖いところなんだけど…


でも一つだけ昔から変わらないことがある。


何かあったとしてそれが自分ではどうしようもなくなってしまった時。


自分じゃ分かってないみたいだけど翔ちゃんの完璧が崩れるんだ。


色々な事を投げやりな感じになる。さっきみたいに。


だから……

自分自身の事だろうと他人の事だろうと私が納得するまで離さないんだから…っ!!