無事に一日目を終えた私達は、二日目、同じ会場に足を運んでいた。


あんなにいっぱいいた選手も、ひとつの会場に全て集結しており、頂上決戦へ向けアップを開始している。


昨日試合に出られなかった行雲キャプテン、雫ちゃん、泰ちゃんの三人は、特に気合いが入っている。


「いたっ!行雲キャプテンパスが粗い!」


「お……おおすまん」


椿に怒られてちょっとしゅんとしている行雲キャプテンは、やっぱり絶世の美女並みの美貌で、観客席にいる他校の女子がキャーキャーさわいでいる。


「ケイ先輩遊ぶな!そんかこつしよう暇なかですよ!」


「いっ……!テメッ!雫ゴラァ!少しは先輩ば敬わんかい!」


「あんた敬う頭は元々なかですけど」


視線を移せば、ボールをフィンガーロールさせてエンターテイメントショーのように楽しくアップしていたケイ先輩に、雫ちゃんがタックルを食らわせて言い合いしていた。


泰ちゃんに関しては、ゴール前でただならぬ雰囲気を醸し出して立っていて、その殺気から誰も話しかけれないし。


「……由貴先輩、今から始まるん、バスケん試合ですよね?」


「はは、面白かこつ言うね。まぁ、確かにあん三人ば見よっと、バスケっちゅうよか、戦んごたる」


もうこの空気感に慣れている由貴先輩は、それでも気楽に二階席に応援旗を掲げ、その光景を楽しそうに見つめていた。