連城崎恵瑠、20歳。172cm。
肩より少し長いくらいの栗色の髪を高くポニーテールにしている。
パーカーにジーンズといった、普段の私服。

「お、ここかぁ…」

ついこの間、採用通知が届いたエルの仕事場は、
嵐清男子高等学校。
職員含め希望者寮制の男子校だ。

「まずは、校長に挨拶…」

そうして校内に入ろうとしたとき―――

「かっ、勘弁、してください…!」

どこからか、震えた声が聞こえた。

エルが辺りを見回すと、
男子校生が見るからに不良な男たちにからまれていた。

「…ウチの生徒か…?」

そう呟いたときには、エルはもう
不良男たちの方へ向かっていた。