バタン。

校長室を出たエルは大きく溜め息をついた。

「はあぁぁ…!
緊張したなぁ…」

次は寮に行かなくてはならないので、
自然と竜と一緒に歩くことになる。

竜とエルは一言も喋らなかった。
エルは耐えかね、ぼそりと言葉を漏らした。

「なんか喋れや、この堅物メガネ…」

「ついに本性を表したな、猫かぶり女…」

「ッッ!?」

すぐさま返ってきた竜の声にエルはとても驚いた。
しかも、内容が内容だ。

「ね、猫かぶりッ!?」

「本当の事だろう。まぁ、不自然すぎるけどな」