☆伶side☆




 今俺の目の前には仕事を終え、帰ってきた雀璃が眠っている。



 雀璃を起こさないよう、顔に付いた血を拭く。








 柔らかい茶色い肩までの髪。



 まつ毛の長い二重の瞳。



 小さな顔。



 華奢な体。






 俺が雀璃と初めて会ったあの時からこいつは変わらない。




 雀璃の妹と雀璃と俺でよく遊んでたっけ。




 妹思いの優しい姉。




 姉が大好きな可愛い妹。




 俺の恩人である雀璃の両親。







 もう消えた、過去の思い出。