「おばあさん、おばあさんのお耳はどうしてそんなに大きいの?」


少女はおばあさんに問いました。


布団から出ている耳が、人間の耳にしては大きく、尖っていて、毛深いのです。

「それはね、お前の可愛い声を、聞くためだよ」


おばあさんはやっぱりしゃがれた声でいいました。


「ふーんじゃぁ、どうしてそんなに声が変なの?」


「風邪で喉がやられているのさ」


「へぇー」


少女は興味なさげに答えました。


おばあさんの耳がでかかろうが、声が出にくかろうが、少女にとってはどうでもいいことなのです。


殺してしまえば同じー…


耳を剥ぎ取って、喉仏をナイフでかき回してー…


少女はそう考え、ベッドに横たわるおばあさんに、ナイフを降り下ろしました。

その時ー…