side/理久 ――― 俺は写真を眺めながら、机に肘をついていた。 「何て書こう…」 指でクルクルとペンを回すと、手紙の上に置いた。 かれこれ、何年目となるんだろうか。 …独り言が多いのは、放っといてほしい。 一人暮らしを始めて長いからか、癖になっている。 「…何て書いたら喜ぶかなぁ…」 もう500通は、優に超えただろう。 でも書く内容が途切れた日は無く、頭に浮かんだ話のどれを書くか悩む感じだ。