「なぁ、未咲も昼行こうぜ?みんなでさぁ」
「あっ、あの、えと。ひろ、きくん…」
「お、やっと俺のこと一発で名前呼びしてくれたじゃん。もう、未咲は何度言っても苗字呼びだったからなぁ。で、昼!ほら、行こうぜ?」
「あ、いや…。わたし、お弁当だから…」

時計の針が12時になり、チャイムが鳴った頃、社員たちはすぐさま席を立ち皆お昼へ行く。

同期の浩樹(ヒロキ)は入社してから毎日未咲(ミサキ)を、ごはんに誘っていたが未咲が頷く確率0%。

それでもめげずに、浩樹は毎日ごはんに誘っていた。

周りから、「もう諦めたら?」との声が飛ぶ中、浩樹は諦めなかった。

最初は苗字呼びだったが、最近は浩樹の願い通り名前で呼ぶようになった。

だから絶対お昼も来るようになると、浩樹はめげずに誘っていた。