ケータイ小説 野いちご

ひきこもりの小さな卒業式。【完】

卒業

制服に着替えた私は中学へと向かった。
午前は普通の人たちが体育館でお祝いされ、卒業するのだが、
私たちは違う。
普通の人達とは違う、午後の小さな卒業式だ。
「こんにちは」
職員玄関に先生方がもう既に数人居て、見知った顔の先生に、ちょっと早い挨拶をされた。
「卒業おめでとう」
私はそれに小さな声で返すと、頭で小さくお辞儀をした。
もう一人の子が来るのを別室で待っているともう一人の子が来たようだ。
三年振りに会う、一年の時に同じクラスだった女の子。
「久しぶり」
「久しぶりだね」
一年の時から少し手紙でやり取りしていた、玲菜ちゃん。
私と同じ、不登校をしてた女の子だった。
あの頃よりも背が伸びて、前よりも明るくなったように見えた。
「年賀状ありがとう、これ……お返し。年賀状遅くなった」
今年の年賀状だった。
「ありがとう」
キャラクターと一緒に文字がかかれていて……。
面と向かって手渡してくれた。
なんだかとても、いい気分だった。
……友達ってこんな感じなのだろうか。
玲菜ちゃんが笑う。
私もつられて口元で笑う。
人前で笑うのは初めてで、きっと不気味な笑みだっただろうと思う。
笑うのに慣れてないのだから、それくらいは勘弁してほしい。

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