冬休みに入る直前、寒さは更にレベルアップし、それに反して俺の気持ちは右肩下がり。


「ああああ……!」


「恋夜、呪いの少年みたいな声出して、大丈夫?」


ブレザーの下にかませたパーカーのフードを深く被り、机に突っ伏して呪いの声を上げる俺の頭上から、佳那汰の優しげな声が響く。


佳那汰はそっと俺の手に握られた紙を取り上げると、ふぅ、と溜め息を落とす。


「順位変わってないじゃん?何が不満なの?」


そう、佳那汰が俺の手から取り上げたのはこの間の期末テストの順位と点数の表である。


「バッキャロー!苦手な数学頑張ったせいで得意の英語点数下がったんだよ!」


「あー、今回英語難しかったよねぇ」


呑気な声を上げて笑う佳那汰。なんだよ、俺が二位だったってことは、どうせ佳那汰が一位なんだろ!一位の余裕か!