「いっけー!マカロン砲!」


「ほーうっ」


「イテッ!あんたらガキか!ふざけんなし!」


そろそろ二学期も終わり、冬休みに差し掛かる12月の末。


つい先日のシケた出来事なんか無かったかのようにいつも通りのリッコと、相変わらずに無口無表情で謎に無邪気なマカロンの暴走は止まらない。


リッコの声に従ってドーンとタックルをかましてきたマカロンに吹っ飛ばされ、俺はストリートコートでよろりと足をふらつかせる。


「ヤッホー!楽しそうじゃん?」


「おー、遅れて到着のハーシーにも……いや、止めとこ。小さいからシャレになんないわよね」


「よね」


何のことやら理解出来ないと言わんばかりにキョトーンとしてみせるハーシーと、無邪気な子供二人を見比べて、俺は白い息を盛大に吐く。


『はぁぁっ!』と嫌味ったらしい声も忘れずに、ね。


「あのねー、俺もわりとマカロン氏に比べたらちーせぇの、あぶねーの!」


「とかいって、何だかんだ受け止めるんでしょ?ねぇ、マカロン」


「てーい」


嫌に抑揚の無いゆったりとした掛け声だが、すさまじい勢いで飛んできたマカロンに、転けそうになるのを精一杯踏ん張って抱き止めてみせる。


「ほーよーりょく?」


「おう。デッカイ愛も受け止めてこそ、イケメンになれるってね」


嗚呼ダメだ、俺までアホの子思考が移りかけてる。ツッコミいなくなったらこのチーム終わるっての。