それから、あたしと竜季は寮を出で実家から学校へ通うようになっていた。


あの一件以来寮内で妙なことはなにも起きていないけれど、2人の遺体が地下にあると知っているあたしたちはとても暮らしていけそうになかったから。


伊達先生は突然行方不明になったということで大掛かりな捜索が行われていた。


でも……伊達先生は二度と戻ってこないと、あたしと竜季だけは知っていた。


あの後、女子寮のお風呂の鏡は元通りになっていて、鏡を外してみてもあの通路は跡形もなく消え、ブルーのタイルの壁が存在しているだけだった。


伊達先生と共に、すべて終わったのだ。


ここからはあたしと竜季の推測になるけれど、伊達先生がスコップを持って地下へ現れたのは、昔の事件を嗅ぎまわっていたあたしたちに焦りを感じ、


心花さんの遺体を移動するつもりだったんじゃないだろうか。



そしてそれを待っていた心花さんに捕まってしまった……。