ピピピピピピピピピ

目覚まし時計の、うるさい電子音。

…見ると、示す時間は7時。


お母さん達と国を回るのは、11時から。



ーお母さん達へー

少し、調べ物をしに行きます。

11時には、必ず戻るので

心配しないで下さい。

携帯電話を、一応持って行っているので

万が一、何かあったらかけてください

道 香


これだけ書き残したメモを机に置き、朝ごはんに、昨日買っておいたサンドイッチを食べる。

急いで着替えたり、顔を洗ったり歯磨きしたり…、

そんなことをしていると、あっという間に30分が過ぎた。

静かにホテルから出て、行った先は役所。

…ここに、“水川穂乃”の、データがあればいいけど。

まあ、日本語だし外国にあるって事は、あんまりなさそう。

役所を特別に早く開けてもらい、水川穂乃を探して貰った。

でも…、データは一切出ない。


トゥルルルル…

と、ケータイがなる。


表示されていた名前は、


“波瀬広也”…、

つまり、青斗と広也が何か、掴んだのだ。