今日は…、最終戦。
だけど、心は何故か落ち着いていた。
“勝つ”、それだけが胸にあるから。

青斗の死も、皆の苦しみも、悲しみも、涙も。
全部、無駄にしない。

今日で、全て終わらせるんだ。

あたしが、できる事も、
皆に、恩を返す方法も、

一つしか、思い浮かばなかった。

…皆に、バイバイしなくちゃね。

なんでこんなに落ち着いているんだろう。

朝起きて、着替えて、顔を洗って、髪を整えて、お母さんと話して、ご飯を食べて、歯磨きして。

当たり前の事も、もう最後。

今日で、最後なんだ。

「…首取りゲームまで、あと3時間か…。」

ぽつん、と呟いた独り言は、お父さんの「いってきます」の声に掻き消された。