そして…
あたしは、目を覚ました。

青斗に横たわって泣いている伊織。
体操座りで、顔をうずめている明日美。

…それと。


「…道香!目覚めたのかっ!?」



広也が、あたしの横に居た。
…あぁ、広也だ……。

安心した瞬間に、目から涙がが溢れそうになった。
それを必死で堪えて、


「…うん。ごめんね、心配かけた?」

「…たりめーだろ。」


ホッと溜息をつき、微笑んだ広也。
それを合図にするかのように、明日美があたしの所に来た。


「道香!!道香ぁぁっ……。」



涙をいっぱい流してくれたのか、腫れた目からも、まだ涙が流れてる。

あたしに抱き付いた明日美の体温が、冷えたあたしの体には心地良かった。


「…あーすーみ。……ありがとね。」


そういうと、また明日美は涙を更に流して……。
終いには、眠そうに目を擦りながら、あたしの目覚めを喜んでくれた。


「三回戦、どうなったの?広也。」

「ん?あぁ、その辺のスタッフに頼んで一時間延長にしてもらったんだ。」

「そっかぁ…良かった。ありがとっ」


そして。


あたしの方を見て、何かを言いたそうな伊織。

まだ、恨まれてるかな…?


でも、仕方ないよね。
あたしが、青斗の自殺の原因の様なモノだから。



「…道香……」