空とは、いくら仲良くなっても学校では余り喋らなかった。
クラスが有り得ないぐらい離れていたのもあるし、男女で喋ってなどいたらすぐに噂になってしまうのが中学校だ。
空はそういうのを極端に嫌う性格だし、しょうがないかなぁとも思っていた。
まぁ、あたしは全く寂しくない、といえば嘘になるんだけど、
我が儘を言ったら空に迷惑かけちゃうよなぁ、と思い、我慢することにした。

でも、すれ違い様に手を振ったり、あいさつぐらいはしていたし…空がたまに、こっそり手紙を渡してくれたりしていたから、あたしもそうしていた。
そのこそこそしたやり取りが、悪いことをしている訳では無いのにドキドキした。
空はサッカー部で、あたしの中学校では強いほうの部活だったから、試合の結果を聞きつけては手紙を送った。

とにかく学校が楽しくて、同時に空に会えそうな移動授業が楽しみになっていた。



そんな楽しい毎日を送っていた時だった。