私はタオルをとって、彼が冷水で冷やしてくれた手の甲を見つめる。


少し赤くてヒリヒリするけど、心配するほどの火傷じゃない。



「続きをするぞ」


蓮人さんはスウェットの上を着て戻って来た。



「大したコトないし…」



「痕が残ったら俺が困る」


蓮人さんは向きになって私の手を引っ張る。



「これは自社の軟膏だ…」


蓮人さんはブリーフケースの中から小さな救急ケースを取り出した。『ソーマ』の市販の軟膏を私の手の甲に塗り込んだ。