12月24日。

あたしはひとりで教室に残っていた。

終業式前日の今年最後の日直はまさかのあたしの番やったせい。



ちえも万里奈もデートで、友美も用事があるって。

せっかくのイヴに予定がないのはあたしくらいらしい。



だってしゃーないやん。

予定なんか入れられる気分ちゃうかってんもん。

でも、こんな虚しい気持ちになるんやったら無理にでも入れた方がよかったかもしれん。



黒板を消して、日誌も書き終えて。

届けに行く前に少し寄り道。



達郎の教室に入った。



明日はクリスマス当日。

学校に来てみたら机の中には……って素敵やん。

あたしからってのもわからへんし、とそうすることに決めた。



そうして、あたしは袋からプレゼント────クリスマスカードを取り出した。






メッセージも名前もなんも書いてない。

商品そのまま出しましたって感じの姿。



冬らしい真っ青のツリー。

赤を主としたカラフルなオーナメント。

金の飾りで彩られたカード。



きらきら、夢いっぱい。



あたしらが見に行くはずやったあのツリーにあまりにもそっくりで、あたしはこれを買わずにはおられへんかった。