ケータイ小説 野いちご

〝好き〟の間違い探し

伝わる温度はニセモノ









「……な、……んな、い……」



ゆらゆら、ふわふわ。

漂う感覚に乗っている。

気持ちええなぁ。



「杏奈!」



突然の頭への衝撃。

混乱したまま、頭を上げる。



「お前、なに寝てんの?
終礼の間も寝てただろ、これ」

「しゅう……あれ?
いつ授業終わったん?」

「そこからか」



ふぁ、と欠伸をひとつ。

おでこに腕の跡がついている気がして前髪でなんとか隠せへんかと弄ってみる。



「額に線入ってんぞ」

「チッ」



バレとる。



「もー、ほっといて!
大体なんの用なんよ!」



おでこを押さえながら言うと、「はぁ?」と声を上げられる。

ふざけんなよてめえ、のオプションつきです。

いらんわアホ。



「いっ・しょ・に・か・え・る・ん・だ・ろ」



頭ぐわしーっと掴まれてぐらぐら揺れる、ゆれ、ちょ、やめ。

座ったままのあたしと隣に立っとる達郎。

普通に並んでもちょっと身長負けてんのに、これ、どう考えてもあたしが不利やん。



「春からずっと帰ってんのに寝ぼけてんじゃねーよバーカ」

「あーもー、うるっさいなぁ!」



今のはあたしが悪いけど、口うるさいねん。

しかもバカって。

バカって!







< 18/ 69 >