◇
「ねぇねぇ、聞いた?BDに新しい幹部が入ったんだって」
「あ、聞いた聞いた。彼氏の友達がBDのメンバーなんだけど、なんでも入ってすぐ幹部になったらしいよ?」
「えー、入ってすぐ幹部になったの?すごーい」
「とにかくすっごい強いらしくてね、しかも、超美形なんだって!」
「うそ、美形なんだ!BDの幹部ってみんな超格好良いよね~。その人名前なんて言うんだろー」
「えっと、確か“レイ”って言ってたよ」
「“レイ”?もしかして“綺麗”の“レイ”?だとしたら名前通りだよね~」
違うよ。“レイ”に漢字なんて無い。
偽名だから漢字なんて必要ないし。
……なんて、わざわざ彼女達に説明なんてしないけど。
──カタン。
さて、と。
今日も呼び出されてることだし“黒神の城”にでも行こうかな。
そう心の中で呟いて、机に掛けてあった鞄を手に持つ。
「え、春名さん、もう帰るの?もうすぐ帰りのHR始まるよ?」
「……あー、今日はバイト早いんだ」
話し掛けてきたのは“レイ”の噂をしていたクラスメイトの女子。
見た目はギャルだけど、性格は割りと大人しめな子達だ。
「あ、そうなんだ。毎日大変だねー。って、あれ、春名さんの彼氏じゃない?」
「……ホントだ。じゃあまた明日ね」
「うん、バイバーイ」
「バイバイ、春名さん」
じゃあ、と軽く手を上げて、廊下で待っている“彼氏”とやらの元へ向かう。
「ねぇねぇ、聞いた?BDに新しい幹部が入ったんだって」
「あ、聞いた聞いた。彼氏の友達がBDのメンバーなんだけど、なんでも入ってすぐ幹部になったらしいよ?」
「えー、入ってすぐ幹部になったの?すごーい」
「とにかくすっごい強いらしくてね、しかも、超美形なんだって!」
「うそ、美形なんだ!BDの幹部ってみんな超格好良いよね~。その人名前なんて言うんだろー」
「えっと、確か“レイ”って言ってたよ」
「“レイ”?もしかして“綺麗”の“レイ”?だとしたら名前通りだよね~」
違うよ。“レイ”に漢字なんて無い。
偽名だから漢字なんて必要ないし。
……なんて、わざわざ彼女達に説明なんてしないけど。
──カタン。
さて、と。
今日も呼び出されてることだし“黒神の城”にでも行こうかな。
そう心の中で呟いて、机に掛けてあった鞄を手に持つ。
「え、春名さん、もう帰るの?もうすぐ帰りのHR始まるよ?」
「……あー、今日はバイト早いんだ」
話し掛けてきたのは“レイ”の噂をしていたクラスメイトの女子。
見た目はギャルだけど、性格は割りと大人しめな子達だ。
「あ、そうなんだ。毎日大変だねー。って、あれ、春名さんの彼氏じゃない?」
「……ホントだ。じゃあまた明日ね」
「うん、バイバーイ」
「バイバイ、春名さん」
じゃあ、と軽く手を上げて、廊下で待っている“彼氏”とやらの元へ向かう。