「今帰った。近藤さんは?」


「お帰りなさい。近藤さんなら大広間です。」



菖を連れ帰ったおかげで屯所内は騒がしい。


「じゃあこっちだ。」

「あ、はい。」


平助はざわつく隊員達を無視し菖を連れ大広間へ。

平助一人だと心配なので、土方と沖田もついていく。



「近藤さん!!」


「おお、平助!帰ったか!」


大広間の襖を開け放ったにも関わらず、笑顔で迎える。



「平助!ったく近藤さんも注意しろよ…」



「トシは神経質なんだよ。」



局長の座にいて、新撰組を率いている近藤勇。

小さなことは気にしない豪快な人物である。


土方は気苦労が絶えないが、そんな近藤だからこそ荒くれものばかりの隊員達にも慕われているのだろう。