連行された鷹宮。


俺を車椅子で、
嵩継の車まで迎えに来たのは
あのラスボス。




マジかよ。




ラスボスが押す、車椅子に乗せられて
病院の中に連行される俺。





前に入院した時と比べて
重い空気。






確かに膝は痛かった。



最近じゃ、階段の上り下りも苦痛で
バイクに乗るのすら億劫だった。


外に出るのは、朝の買い付けくらいだ。



それすら、思い通りにならない足は
作業を終えるのに時間がかかる。




それでも買付は
やめるわけにはいかない。





アイツに連行されるように
入れられた診察室。



そこには、交通事故にあった時に
関わった上村医師が居た。



アイツはその人と
わけわかんねぇ言葉を交わしてた。






「嵩継、痛みがひいたら
 それだけでいい。

 店、開けねぇと」





アイツは休めなんて言ったけど、
そんなことしたら、
俺達は生活が出来ない。



おふくろを支える立場にある俺が
ここでくたばるなんて出来ないんだ。




「まだ言ってんのか?

 海斗、店は今日は休みだ。

 一日無理して、
 暫く立てなくなるのと、
 ラクになってから
 バリバリ働けんのと
 どっちがいいかなんて
 言われなくてもわかんだろ」






真剣に怒鳴りつけるアイツ。





それが……
懐かしいあの頃と重なって
何も言えなくなった。






かわってねェな。


やっぱり……。



何時だってお前は、
真剣に正面からぶつかってくれる。





色眼鏡で見ることも、
遠巻きに言うことも……ない……。