俺が入院生活をはじめて、
もうすぐ二週間。


ベッドに縛られたままの
退屈な時間だった入院生活は、
嵩継の訪問によって、
多少、気分転換が出来た。


手術直後は、
鈍痛が続いて、
チリチリとした痛みが走っていた
足も今は随分と落ち着いた。



手術の後、
意識が戻った俺を
心配そうに覗き込んだ
嵩継は、
あの頃と何も変わってなかった。



おふくろの病院の付き添いで
嵩継の居場所を知ってから、
待ち続けた連絡も、
結局、この日まで得られなくて
ようやく再会したのが、
この様。



猫を助けるために、
バイクでこけて
足を折るなんて、
我ながら、馬鹿すぎるだろ。


しかも運び込まれた先は、
良かったのか悪かったのか、
嵩継が働く病院。



気まずい再会。



三ヶ月の間、
俺に連絡一つ寄越されなかったアイツ。



やっぱり、
会いたくなかったのかなっとか、
考えるだろ。

普通。



そんなぐちゃぐちゃの想いを抱え込んで、
睨みつけるしか出来なかった。


まともに顔すら来ることも出来ずに、
問い詰めた言葉に、
アイツは、「研修が忙しいから」って
澄ました返答しやがって、
思わず一発、ぶん殴りそうになった。



すぐに埋まるだろうっと思ってた
6年と言う年月は、
思っている以上に深くて。