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新しいスマホを買ってもらい、ママと商店街を歩いていると欲しかった本を思い出した。

「ママ、あたし買いたい本があるから先にスーパーでお買いものしてて」

あとで追いかける約束をして、ママと別れる。

書店の自動ドアに立とうとしたとき、中からみるからに爽やかな服装の若い男性が出てきた。

「あ!」

その男性を見て、あたしは思わず声を上げた。

ばったりと出くわした若い男性は玲奈のお兄さんだった。

「亜美ちゃんだね?」

玲奈のお兄さんはあたしの顔を覚えていてくれ、声をかけてくれた。

「はい。あの、玲奈から携帯の番号をもらったのに失くしてしまったんです。すみません! ご迷惑かけていませんか?」

ずっと気がかりで、一気に早口になる。

「なにも迷惑はかかっていないよ。……ちょっと時間あるかな?」

拓磨さんは腕時計で時間を確認してから尋ねる。