「玲奈のお兄さん、亜美に気があるんじゃない?」

去っていく2人の背を見ていると、みのりが変なことを言う。

「そんなんじゃないよ」

あたしは自信をもって否定。

拓磨さんには人には見えないものが見える。

そう確信した。

「水に近づかない方がいいって、どういうことだろうな」

ずっとそばで聞いていた翔平が首を傾げる。

「なんだろうね?」

あたしは肩をすくめた。

そこで、まだお腹がいっぱいにならない木下君たちは食べに行くと言う。

あたしも行こうとしたとき、小杉と彼女が目に入る。

その横にぴったりと付いているひかりがいた。

ひかりはゆっくりあたしの方へ顔だけを向けて、ニタリと笑う。

ひかりっ!? あたしはまた夢を見ているの?

夢なのか、現実なのかわからなくなる。