奈緒side




「奈緒、早くしないと先生に怒られるよ‼︎」



「ちょっと待ってよ〜」




科学の資料集が見つからなくて、カバン、机の中、ロッカー、いろいろなところを探していた。



ーーキーコーンカーコーン




「あぁ、もうチャイム鳴っちゃったよ……」



「あった‼︎」



「もう、早く行くよ‼︎」



「はーい。」




友達と廊下を猛ダッシュして、科学室に行った。







あれから、1年が過ぎた。



お父さんとお母さんが離婚して、あたしはお父さんに着いて行った。



お父さんの実家に住むため、お父さんと引っ越した。



引っ越した場所は新幹線じゃないといけない場所。



誰も知らなくて、記憶も戻ってないから一からのスタートだった。



慣れるまでは本当に大変だった。



でも、あのときに比べたら今の方が自分らしく過ごせている。



ミルクティー色だった髪はブラウンに戻し、ピアスも両耳一つずつにして、化粧も薄めにしている。