【秋 side】






『…わからないわよ。』





そう呟いて、俺の背中に顔を埋めた冷夏は少なからず震えていて。





今はバイク運転中だったから無理だったけど、じゃなかったら抱きしめたかった。





一体、冷夏は何を抱えているんだろう。




罪を犯した、とか。

信頼できない、とか。




過去に、なんかあったんだろ…?




正直、知りたいと思う。


それはもう、とてつもなく。





けど、冷夏が話してこないから、俺は待とうと思っている。






いつかお前が俺らを信頼して話してくれる日がくるように…。





俺は、いつまでも待ってるから。






そして俺は、エンジンを踏み込んだ。