× × ×



結局。


涙をごしごしこすって

「なんでもない」

って顔を装う私を


キョーヤは黙って、車に乗せた





「家、どこだ?」


「……ひばりが丘の駅前」



それだけ、言って。


また黙って、ハンドルを握る。



「悪かったよ」




「え?」



「泣かして」