階段を降りると、大きな空間が姿を現した。
奥行10メートル、高さは3メートルくらいだった。

「なんだ、なんにもないじゃん」
慶太がいった。

私は広い空間に出たことで少し不安がうすれた。

懐中電灯であちこちを照らした。
光の中に、ビンや皿、朽ちた木箱が浮かび上がった。

「なにかあるぞ!」
晃が声をあげた。

懐中電灯に石碑のようなものが照らされた。

私たちは近づいた。


1945年、5月3日
……に遭い
多くの……が……
この悲しみを……ために
ここに……を立てることに至った。


文字がかすれて全部は読めなかった。