「はぁーっ。」

俺があれこれ考えても仕方ない。
俺にはもう関係ないんやから!


俺はこんなモヤモヤした感じで一日の仕事を終えた。


「お~い、祐樹!」

「剛彦。」

「何考え事してんね?」

「いや、別に・・・」

今朝、あんな揉め事を起こして剛彦にも迷惑を掛けた。
でも、揉め事の理由は剛彦には言えない。
俺はただ、女たらしの木原が許せなかったと嘘をついた。


「木原さんのことか? まぁ、俺もあの人がやってることを良いとは思わんけど、そんなことで祐樹が怒るとは思わんかったわ。」

「えっ!?」

そうやな・・・

確かに、女に声を掛けてるくらいで俺は別に怒ったりしない。
つい最近、大学生まで俺自身がしてたことなんだから。 


原因は京子さん・・・

やっぱり言い訳にしては無理があったか?


それでも剛彦はそれ以上詮索はしてこない。
それが剛彦の良いところでもあった。