「今日から一ヶ月、教育実習生としてお世話になります、高梨遥(たかなしはるか)です」



──中二の春。ニカッとひまわりのような笑顔を浮かべた彼女に、俺は一目惚れをした。


初恋だった。



それから俺は、時間を見つけては、先生にアタックし続けていた。



先生の専攻は数学で、俺は一番数学が得意なくせに、わからないふりをして先生に訪ねにいったりもした。



「遥ちゃん、ここわかんないから教えてよ」

「もー、先生って呼びなさいって言ってるでしょ?」



遥ちゃん、と呼ぶと、ぷう、と頬を膨らましてそういう先生が可愛くて仕方なかった。