今の時間は多分6時くらい明け方 いよいよ今日から特訓生活が始まる。

梨佳たちの約束によると、この時間に私の家の前にいればいいらしい。

けっこう重い荷物を持ち、玄関を出る。今日ここから新しい事が始まる・・・

『いってきます。』

いつもより少し大きな声で言ってみた。まあ特になにもかわりはしないけどね

ドアを開くともう、門に梨佳と響の姿があった。梨佳がこちらに気がついて

「あ!雪音ー!こっちこっち」

手を振ってきたけどスルーして2人の所に行った。

「・・じゃあ、いきなりだけどここからは車に乗って移動ね。車は用意してあるから!って、ちょ、響!寝ちゃだめでしょ!」  「ねみぃ・・」

2人のやりとりを見て少し笑いそうになったのは秘密にしておこう。

『って。車なんてないじゃ・・!!・・え?』

おどろいた。さっきまで見えなかったのに今、目の前には牛車じゃなくて

牛がいるべきところには火をまとった狐と水をまとった狐がいた。

「あ!来た来たー!遅いじゃん。」

「早く乗っちまおーぜ。」

『ちょっと待って・・・何これ』

「え?これ?これは私の一族の金狐と銀狐。金狐は火、銀狐は水が使える

んだよ!2匹は狐車の運転手みたいなかんじだからね。」

『大丈夫なの?こんなので』

「こんなのじゃないよ!金狐と銀狐はすごいんだから!ま。乗ったらわかるよ

早く中に入って!」

中に押し込まれて入ったら中は畳がしきつめられてて4人乗りって感じで

窓がついてた。

急に浮遊感をかんじて、窓を見てみるとこの狐車の下に絵巻物にでてくる

ような雲があって随分高いところにいるのが分かった。確かにすごいな・・

「おどろいてるようだけどもっとすごいんだよ!今この狐車は視えないの!」

『視えない?』

「あぁ。普通の奴には視えないが霊感があったり、たまにガキも視える事

がある」

「で!本題にはいるよ。まず、特訓の期間は春休みで場所は私の家。

で、ここからが重要!力の抑え方は私の祖父に一緒に習うから!」

『なんで?べつに梨佳と響だけでよくない?』

「それは無理。雪音の力は普通の半妖より特別だから、俺たちにはできない」

「うん。だからおじい様に一緒にやってもらおう!あ、そろそろ着くよ」

また変な浮遊感になって地面に着いたような感じがした。

そして扉が開いて降りた後見たのは、日本のお城のような家だった。門番は狐

で、私たちを出迎えたのは耳と尻尾が生えた人間がいた。

「「「おかえりなさいませ。梨佳様。主様がお待ちです」」」

「分かった。ありがとう。荷物よろしくねー」

手を引かれて私はその城に入っていった。

これから、どんな特訓が始まるのか少し興味がわいた気がした。