『・・・ふぅ。疲れた・・・』

この長い廊下も慣れ始めてきたなと思いつつふらふらと自室に戻った。

「お帰りなさい、雪音様。」

『椿ちゃんっ、!!』

襖を開けると正座して待っていてくれた椿ちゃんに対し牡丹ちゃんは・・・

「ゆっきね様ーー。お帰りなさい!どうでした?やっぱり黒弧様はあいかわらずでした?特訓は厳しい?ねーねー」

疲れた体をゆさゆさと揺られ元々少ない体力がなくなりかけた時

「牡丹!またあんたは・・・はぁ雪音様も私も困るから」

「・・・ちぇ、ごめんなさい・・・」

なんだかんだ椿ちゃんが言うと素直に聞く牡丹ちゃんは可愛いと思った

『ふふ・・・ただいま。2人とも』

こんな言葉を誰かにもう一度言う日がくるとは昔の私なら思わなかっただろう
昔の楽しかった思い出に少し浸っているといきなり襖が開かれた。

「ゆっきねーーー。ご飯食べよ!持ってきたから」

「疲れた。ねみぃ」

『梨佳、響・・・』

「おぉ?なんかちっこいのが2人いる」 「馬鹿、さっき話してた奴らだろ」

「牡丹でっす」 「・・・椿です」

「了解!名前は覚えた、一緒にご飯たべましょー」

『・・・そうだね、いい考えだと思う。ね、2人とも』

「ありがとーございます!」 「・・・ありがとうございます」

「こいつらって性格が間逆すぎだろ」

あっというまに賑やかになった私の部屋。いつのまにか疲れは飛んでいた。

「「「「「『いただきます』」」」」」

こんなに大勢でご飯を食べるのは何時ぶりだろうか。自然と口角が少し上がってしまう。

「そういえば雪音さ、黒弧から宿題だされたんだって?」

『・・・げ、なんで知ってるの?』

「俺達の情報網なめんなよ」

『はぁ・・・どうしようかな』

「あたし達が手伝ってあげようか?」

『・・・』

私より力のコントロールがはるかに上手い二人なら・・・

『・・・お願いしようかな』

「任されたっ!」 「腕がなるな」

こうして深夜の練習が始まったのだ