後日、コレンタ国王は自国に起こった出来事を、マクベス王からの書状で知ることとなった。

もちろん、ティアナが魔法を使えるようになったことも。


そしてティアナは魔法が使えることを他言しないことを条件に、庭園から出ることを許された。


国王はティアナの力が外に広まることを恐れていたのだ。

エリアルのように、利用されてしまうのではないかと心配する親心で、ティアナには魔法が使えないと思い込ませることにしていた。


しかしティアナ自身が魔法を使えることに気づいたからには、自由にしてやることにした。

というより、そうするしか他になかった。

国中の誰よりも魔力が強いティアナを閉じ込めておくことが難しいのは、火を見るよりも明らかである。


さらにティアナの功績を称えて――表向きにはティアナのお披露目会ということにして、盛大なパーティーが催された。


立ち入りが禁じられていた庭園が解放され、花ばかりしかなかった広い庭が着飾った人々で溢れかえり、空には色とりどりの風船が放たれる。


そんな賑わいの中、ティアナは並べられた豪華な食事や贈り物には目もくれず、ティアナ目当てにやってきた若者たちから逃げ隠れていた。