あの真夏の雪を忘れない

青春・友情

松堂イリヤ/著
あの真夏の雪を忘れない
作品番号
1676838
最終更新
2023/11/08
総文字数
15,434
ページ数
39ページ
ステータス
完結
PV数
2,928
いいね数
7
僕らは、保健室でしか会うことができない奇妙な関係

雪のように儚げな君が、絶望から僕を救ってくれたのに…



西暦2001年。

宇都宮は、男子陸上選手として前途洋々だった。

しかし、交通事故で大怪我をした彼は、脚が不自由になり、選手生命を断たれてしまう。

青春の全てを陸上だけに捧げてきた宇都宮は、完全に生きる意味を見失い、周りも彼を腫れ物を触るような扱い。

教室も針の筵である彼は、卒業まで保健室でサボり続けるつもりでいた。

サボり初日、隣のベッドから、見知らぬ美少女が馴れ馴れしく話しかけてくる。

その、エイラという名の少女に調子を狂わされつつ、毎日保健室で語り合う二人。


「私ね、ハタチまで生きられないって言われてるんだ」


あっけらかんと言い放つエイラは、心臓に爆弾を抱えていた。

それでも、決して生きることを諦めない彼女に惹かれてゆく宇都宮。

ふとした時に、目の前のエイラは、20世紀の今日を生きていることが判明して…。



絶望の淵に突き落とされた元陸上選手と、余命僅かと知りながらも前向きに生きる少女の、心の交流と初恋を描いた、時空を超えた青春ファンタジー



宇都宮
2001年の時点で、高校3年生の男子学生
世界陸上やオリンピックに出られると思われていたほどの実力の持ち主だった
陸上に青春の全てを捧げてきた為、選手生命を断たれたことで、生きる意味を完全に見失う
エイラと出逢ったことで、少しずつ生きる希望を取り戻すが…


エイラ
1995年の時点で、高校3年生の女子学生
ハーフで、雪のような白い肌の持ち主
ウェールズ語の“雪”を意味するエイラという名前を持つ
幼い頃から、ハタチまで生きられないことを知りながらも、決して希望や明るさを失わない
あらすじ
17才にして、絶望の淵に突き落とされた少年と、心臓に爆弾を抱えながらも希望を捨てない少女の、保健室での心の交流と初恋を描く、時空を超えた青春ファンタジー。

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この作品のレビュー

★★★★★
2022/12/24 21:42
投稿者: シチロー さん
最後の展開がいい

青春の全てを陸上に捧げ、それなりの実力も身に付け順風満帆だった宇都宮は、高三の時に不運な交通事故に遭い、二度と陸上が出来ない身体になってしまう。 すっかり自暴自棄になってしまった宇都宮は、毎日授業をさぼり保健室で時間を潰す様になるが、その時隣のベッドにいた見知らぬ少女、幼い頃から心臓に問題を抱え二十歳まで生きられないと言われ、それでも力強く生きるエイラと出逢い、次第に打ち解けてゆく。 フィクションの小説を書く時に、書き手によってはリアリティーを追求するあまり、ファンタジー要素を極力排除する作家さんもいますが、僕はこういう系統の作品の方が好きです。最後の展開で、ちょっとしたサプライズがあり満足出来る読後感が得られます。

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